事務所で一人泣いた話

アラキ
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10月に入って間もない頃のことです。

他事業所のケアマネジャーさんから連絡がありました。

「○○さん状態が悪くなって食事も摂れなくなってきててベッドから起き上がるのも困難になってるねん。」

9月にご来所された時とは考えられない現状に驚きでした。

ケアマネジャーさんから会いに行ってあげてほしいと話しがあり、会いに行かせて頂きました。

居室に入り「○○さん!○○さん!愛の家の荒木です。」

と言うと目を開け「あぁ、荒木さんじゃな!荒木さんじゃ。ありがと、ありがと。」と仰って手を握りしめて下さいました。

昔、男に負けんくらいの力仕事をしていたと話され本当に手の力が強い方だったのに今は半分以下に感じました。

痩せられ頬がこけてしまわれていました。

私の声かけには頷いたり手の動きで応じて下さいました。

「また来ますね、少しでも食べて元気にならないとですよ!」と言い居室を出ました。

今まで送迎時に何気なく来ていた居室。施設2階の一番奥の部屋がこんなにも寂しい場所に思えたのは初めてでした。

 

そのニ週間後、再びケアマネジャーさんから連絡があり電話をとった時、正直嫌な予感しかありませんでした。

内容は「○○さん昨日から急変して呼吸状態も悪く、今日か明日くらいって言われてるねん。この前、荒木さん行ってくれた少し後くらいに自分でスプーン持って食事も摂り始めたのに」でした。

 

そして、ケアマネジャーさんから「忙しいのにまた言うんやけど、もし時間許すなら行ってあげてもらえないかな?私もこのまま何も伝えずにいるの嫌やし、○○さん訪問する度にデイの事、荒木さんの話してたねん。今は目も開かないし反応ないかもしれんし最後になるかもしれないけど」と話して下さり、その日の送迎終わりに会いに行きました。

 

居室の扉を開けると二週間前とは全く違って、さらに頬がこけ別人のようでした。

耳元で声をかけても反応なく、それでも声をかけました。

「愛の家の荒木です。また来ました!○○さん今日は暖かくて気持ちいい1日でしたよ。手握ってるのわかりますか?荒木です!仕事の途中に寄って会いに来たよ、しんどいね」と言葉使いも忘れ感情のまま話してしまってました。

しばらく手を握って帰り際に「○○さん、また来るね、顔見に来るね。来てもいいかな?」と言うと、かすかに頷かれたように思いました。

居室を出ました。

 

その2日後でした。

業務後に1人会社でいるとケアマネジャーさんから連絡が入り「昨晩○○さん亡くなられました。息子さんに看取られて」と。

あの場所で最期お一人ではなく大好きな息子さんが居て下さった事にホッとしました。

そして翌日には大好きな故郷へ帰られた事も聞き涙が出ました。

1人事務所で泣きました。

 

故郷を離れ岸和田に来られ約4年。

何も知らないわからない土地で不安だらけで過ごされた日々、縁があり愛の家に来られました。

不安ばかりの会話が徐々に笑って過ごされるようになりました。

方言混じりの会話、力強いのが自慢で世話好きでとても繊細で、手先が器用で綺麗好き、私の書く字や絵が好きだと仰り色塗りが上手で、とにかく周りに迷惑をかけるのが嫌いで、体調が悪くても言わなかったり我慢されるような方でした。

 

今回ケアマネジャーさんがデイサービスのスタッフというだけの私に何度も連絡を下さり○○さんが来所出来なくなってからの様子や会わせて頂けるお力添えをして下さったり最期まで向き合わせて下さった事に感謝しています。

 

こちら、愛の家に来所されていた頃の利用者様の作品です。

「あんたが居てくれてよかった」と仰って下さったお声は私の耳に残っています。

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