ある大切な利用者様のお話

アラキ
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あるご利用者様の事を書きます。

大好きだったご利用者様です。

私が初めてお会いしたのが病院でした。

第一印象は「面白そうな方」。

ベッドに横になりながら初対面の私に「おぅ!ごくろうさん」と手を挙げられ話が終わると「まぁ、たのんどか!」と。

 

どのご利用者様よりも早く来所され、一番遅く帰られるという毎日が約8年間。

冗談が好きで、歌が好きで、お風呂が好きで、食べる事が好きで、踊りが好きで、仕事が好きで、畑仕事が好きで、笑顔が可愛いらしくて、気に入らない事があると怒って、腰が痛くて怒ったり、寒いのが嫌いで、家の外に出て行き転倒されたり、部屋の床を燃やしてしまったり、玄関のスロープを壊したり、家の外の溝にはまったり、くしゃみが出ると必ず3〜4回は続いたり、似顔絵を描いてもらうと幽霊みたいになったり、朝一番の挨拶を一緒に何度も言い合ったり、トイレに行って秘密の話をしたり・聞いたり、他のご利用者様に優しくて、スタッフにも愛想よくて、しんどくても我慢強くて…まだまだたくさんの思い出があります。

 

私が朝のお迎えに伺うと、決まって「どちらさん?」と言われ、そこから漫才のようなやり取りが始まります。

どんなに暑くても、寒くても、眠くても、しんどくても「尾生行く!」と言って下さいました。

体調の悪い時や気分の乗らない日や寝起きすぐでもお迎えに伺うと「行く」と言って下さいました。

 

そんなある日、珍しく「しんどい」と訴えられました。

数日前から少し体調も悪くおられ注意深く様子をみながら、ご家族様とも連絡を取り合いながらの日々が続きました。

そして、しんどいと訴えられた翌日もご来所されましたが、昨日よりも体調悪いのがすぐにわかりました。朝はいつもと変わらなかったとご家族様は仰っていたのですが、病院へお連れして頂けないかお願いをしました。

お迎えに来て下さる間、ずっと声をかけ続けました。

ご家族様が来られた時は安心された表情でした。

病院へ向かわれ、連絡が来るのを待ちました。

 

 

「入院になりました。」と連絡が入ったのが夜7時頃でした。

ご家族様は入院か、自宅へ戻るかの選択だったそうですが、医師からの最終判断で入院となり、コロナの事もありもう会えないと覚悟されたそうです。

 

翌朝、私が出勤で駐車場に車を止めたと同時に電話が鳴り

「夜中に亡くなりました。」とご家族様からの報告。

 

電話の内容は泣きながらの為、ほとんど聞きとれずでした。

私は駐車場から会社までの道中、歩きながら涙が止まりませんでした。

その日、1日涙をこらえるので必死でした。

 

何も言わずとも、スタッフが集まりご利用者様に会いに行きました。

最後に来所された時と変わらないお顔でした。

ご家族様からは「最後にデイに行けてよかった。デイで終われて良かった。ここまで良くしてくれるデイはない。今もたくさん来てくれて喜んでるわ。」と仰って下さいました。

 

入浴担当してくれていた男性スタッフ、カットスタッフ、フロアスタッフ、看護師みんな大好きでした。

ご家族様に「○○さんとの時間は本当に楽しかったです。ありがとうございました。」と言うのが精一杯でした。

 

この仕事をしているとご利用者様の最期に向き合うのは少なくありません。

その度に悲しみや淋しさがありますが、前を向いていかねばなりません。

まだまだたくさんのご利用者様がいらっしゃるんです!

明日も来所されるんです!しっかりしないと!と自分にい言い聞かせながら。

きっと他のスタッフもそう思ってくれているはずです。

たくさんの笑顔の為に。

 

先日、ご家族様が来所された時に○○さんの事をブログに書きたいんですが、いいですか?とお伺いすると「いいです!喜ぶと思います。」と仰って頂いたので今回書かせて頂きました。

 

いつものあの場所で今日もこれからもずっと愛の家を見守ってくれている気がします。

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